トラベルバッグの内張り交換
@telier OWLのブログⅡ
(アトリエ アウルのぶろぐ)

できることを、ひとつひとつ、丁寧に。
トラベルバッグの内張り交換 (2025年8月)
長いあいだ納屋に眠っていた革のトラベルバッグ。依頼者の女性から使えるように修理できないかとご相談を受けました。
保管状態が良かったのだと思います。
革は年月による劣化はあるものの破れなど大きな補修は必要なかったです。
糸が劣化してほつれているところはありました。
内張りに全体的にシミがあり、そこがいちばん気になります。
↓修理前

■今回の修理内容
・内張りを新しい生地で交換する修理
・必要な部分のリステッチ
・レザーメンテナンス
分解修理になるため、
難易度は高いです。
↓作業中

表に縫い目が出ていないのでいったん裏返して縫い作業をし、最終的にまたひっくり返すという工程になります。
(実のところ、これがいちばん緊張する作業です。)
写真は、上フタ部分の内張りとファスナーを
八方ミシンで、
元の穴のとおりに
ひとめひとめ縫っています。
↓修理後

内張りに使用した材料は
『シャンタン生地・ベージュ』です。
元の構造どおりに型紙を作って生地をカットし、縫製&取り付け。
ただ、古いものは素材の傷みや伸縮があり、そこも折り込んで考えなければうまくいきません。元のパーツ通りに型を取ると、何故か短い/長い/合わない…はあるあるです。
上フタのファスナー付き内ポケットは再現しています。
固定ベルトは元のものを再使用しています


保湿をして完成です。
修理を終えて息を吹き返したバッグ。
これからまた、新しい旅のお供になれたら嬉しいです。
「これで旅行に持って行けます」と
お客さまにもとても喜んでいただけました。
ご依頼頂きありがとうございます。
お客様が荷物と想いを運んでいけますように。
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