足元のサフランの話

@telier OWLのブログⅡ
(アトリエ アウルのぶろぐ)

Footprints of Memory

 2021年の秋の終わり頃です。
庭の草引きをしていたとき、

ひとつだけ見慣れない花が咲いているのに気づきました。

季節は11月で、
誰かが植えた記憶もなければ、種を蒔いた覚えもありません。
放置気味の庭の片隅に、ぽつんと。

あんまり見たことのない、小さくて、やわらかい紫色の、可愛い花でした。

調べてみるとどうやらそれはサフランみたいでした。

でも、何故ここに?
球根を植えた覚えもないし、周りに同じ花もありません。

鳥が運んできたのか、
ずっと昔に植えられていたものが、たまたまその年だけ顔を出したのか――
理由は今でもわかりません。

そしてサフランの花が顔を出したのは後にも先にもその年の秋だけでした。

 

ちょうどそのころは修理を専業にして数年で、

何とか続けてはいたものの

先を思えば不安になるし、後ろ向きなことばかり考えてさらに不安になるという思考の繰り返し。

私はもともと花に特別興味があったわけではないのですが、
あの時見つけたその一輪には、どうしてだかずいぶん元気づけられました。

 

問題は何も解決していません。

夏の草が退いた後の枯れた庭に

いたずらに咲いた珍しい花を見つけただけです。

 

そのサフランは鉢に植え替えて、しばらく眺めて過ごしました。
派手ではないけれど、静かにそこに在る感じを、私はなんだかとても好きになりました。

 

それ以来、サフランは自分にとって少し親しみのある花です。

読んでいただいてありがとうございます。

With thanks — and unspoken apologies.

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